
こんにちは!ブログをはじめてまだ3か月くらいですが、最近「オリンピック 枠」で検索してこちらに来てくれる人が多いようなので、ちょっと整理してみることにしました。基本はX(Twitter)に書いていたことのまとめです。ペアとアイスダンスの枠についても詳しく解説しています。
ミラノコルティナオリンピックにおけるフィギュアスケートの出場枠のルール(*個人戦のみ)
(1)まず、五輪のフィギュアスケート個人種目に出場できる選手数は、
女子・男子 29名
ペア 19組
アイスダンス 23組
です。29+29+19×2+23×2の、合計142人がオリンピックに参加できることになります。ちなみに、2022北京の時よりペアとアイスダンスは1組減ってます。ひどい!
また、この出場枠は選手個人に指名して与えられるものではなく、まずISU加入国に枠がアサインされ、その国が選手を指名する形になります。
(2)出場できる国ごとの出場枠は、2025年3月にアメリカ・ボストンで行われた世界選手権、いわゆるボストンワールドの結果で8割決まりました。決まったのは8割程度の
女子・男子 24名(29名中)
ペア 16組(19組中)
アイスダンス 19組(23組中)
となります。最大で3枠までしかもらえない、とか、1枠参加の場合10位以内に入れば次の開催時は2枠もらえるなどのルールは、世界選手権とほぼ同じです。ただし、枠が増える際に、それにあたる選手がSPを通過していなかった、もしくはそもそも出場していない場合は、その分は最終予選に回るという特殊ルールがあります。
(3)世界選手権では決まらなかった2割程度の出場枠は、2025年9月に北京で行われた最終予選で争われました。ここで決まった残りの枠というのは、
女子・男子 5名(29名中)
ペア 3組(19組中)
アイスダンス 4組(23組中)
です。この最終予選の大会、過去のオリンピックでは9月にドイツで行われるネーベルホルン杯がそれを行う大会でしたが、今回は別建てで大会が行われ、北京で開催されることになりました。この最終予選に関しては、各国は各種目につき1選手ずつしか選手を送れません。
(4)最終予選後に決まった枠から辞退があった場合、北京の最終予選の順位で繰り上がって枠が与えられます。この調整は1月25日まで、1月26日が五輪の出場選手エントリーの最終締め切りだそうです。
なお、ロシア・ベラルーシは最終予選で出た選手しか出場できないという特殊ルールがあり、もし出場して枠を獲得した選手が何かあって出られなくなる場合、他の国に回っていくことになります。
ペアの場合
ペアの場合五輪枠がどうなっているのか、くわしく見ていきましょう。まず、(1)五輪に出場できるのは19組で、 (2)世界選手権で16組が決まりました。(リザルトはこちら)
2枠:4か国
カナダ:3組出場し、5,11,16位。全組が予選通過したものの、上位2組で16ポイント、2枠分のポイントしかないので2枠。
アメリカ:2組出場し、6+7位の13ポイントで2枠+最終予選挑戦権1枠
イタリア:2組出場し、3+18=21ポイントで2枠
ドイツ: 2組出て2+20=22ポイントで2枠
1枠:8カ国
・日本:2組出場し、りくりゅうが1位、ゆなすみが22位の23ポイント。次の世界選手権にはストレートに2枠もらえるところですが、ゆなすみがSP通過とならなかったのでまずは1枠のみ、2枠目は最終予選挑戦権1枠となりました。
・ジョージア(5位)、ハンガリー(8位)、オーストラリア(9位)、ウズベキスタン(10位):それぞれ1組出場で10位以内のところです。世界選手権だったら2枠もらえる国ですが、1組しか出てないのでとりあえず1枠だけ確定。2枠目は日本同様に挑戦枠です。
・イギリス(12位)、ポーランド(14位)、オランダ(15位): 1組出場で残り枠を合計16枠になるまであてはめた分の3か国となります。
単純に考えると1位から16位までが枠をもらえると思いがちですが、複数枠の関係でそうなっていない部分があります。
カナダは3組出場し、上位2組の順位合計が16ポイントでした。これが3枠になるための条件の一つである、上位2組の順位を足して13ポイントを満たさないため、2枠で確定しました。3枠目の挑戦枠なしです。一方で、ドイツは2組出て2位と18位で20ポイント。28ポイント以下なので2枠もらえました。ここも2枠で確定です。
ということはカナダの16位のケリーアン・ルーカス組は16位なのに残念ながら3枠目をもらえず、逆にドイツのホッケ・クンメル組は18位なのに2枠目をもらえたということです。ううう。
さて、最終予選に出場できるのは4パターンです。
(A)ボストンワールドに出場したが、17位以下で枠がもらえなかった国
(B)ボストンワールドに出場したが、複数枠をポイント的に満たしながらSPを通過できなかった国
(C)別の組が獲得した追加枠分は、ボストンワールドには出場していなかったので+1追加チャレンジできる国
(D)誰もボストンワールドに出ていなかった国
です。
実際のエントリーはこちら。
(A)ボストンワールドに出場したが、17位以下で枠がもらえなかった国の組
・Sofiia HOLICHENKO / Artem DARENSKYI (ウクライナ)
・Camille KOVALEV / Pavel KOVALEV (フランス)
(B)ボストンワールドに出場したが、複数枠をポイント的に満たしながらSPを通過できなかった国の組
・Yuna NAGAOKA / Sumitada MORIGUCHI (日本)
(C)別の組が獲得した追加枠分の+1追加チャレンジの組
・Sophia SCHALLER / Livio MAYR (オーストリア)
・Audrey SHIN / Balazs NAGY (USA)
(D)誰もボストンワールドに出ていなかった国の組
・Jiaxuan ZHANG / Yihang HUANG (中国)(ジュニアからシニア転向)
・Tae Ok RYOM / Kum Chol HAN (北朝鮮)(新規結成)
・Isabella GAMEZ / Aleksandr KOROVIN (フィリピン)(確かワールドミニマム無かった)
・Julia Sylvia GUNNARSDOTTIR / Manuel PIAZZA (イスラエル)(2024新規結成)
・Anna VALESI / Martin BIDAR チェコ(2025新規結成)
・Karina AKOPOVA / Nikita RAKHMANIN アルメニア(*ロシアから国籍変更組)
つまりワールドに出ていた3組と、そうでない8組で枠を争った形です。結果としては1~3位だった中国の新シニアペア、アルメニアの元ロシアペア、日本のゆなすみが枠をゲットしました。
(4)いったん決まった枠ですが、ワールド10位だったウズベキスタンのゲイチギ組がGPSを棄権、解散の噂もあり、他にウズベキスタンで出場できるミニマムスコアを持つ選手もいないため、すでに4位のフランスに枠は回ったようです。これ以上出場辞退が出た場合、5位のウクライナ、6位のUSAに次の権利が回っていきます。
アイスダンスの場合
ペアより簡単に見ていきましょう!でもルールは同じです。五輪に出場できるのは23組で、まず世界選手権で19組が決まりました。ペアと同じ複数枠の都合で、18位のホリージェイソン組のオーストラリアには枠が与えられず、19位のアリシアポールを含めてカナダ枠が3枠確保されるということが起こりました。ホリージェイソンには大変残念なことです。前回2022北京のように、もう+1枠あれば平和だったのに。決まったのは下記の国です。
3枠:2か国 カナダ、アメリカ
2枠:4か国 イギリス、フランス、フィンランド、チェコ
1枠:5か国 イタリア、スペイン、ジョージアは+1枠の挑戦権あり、ドイツ・韓国は挑戦権なしです。
次に最終予選で、4組の残り枠をかけて争われました。19か国から1組ずつ出場です。
(A)ボストンワールドに出場したが、18位以下で枠がもらえなかった国の組
ボストンワールド出場と同じ10組
・Holly HARRIS / Jason CHAN(オーストラリア)
・Allison REED / Saulius AMBRULEVICIUS(リトアニア)
・Utana YOSHIDA / Masaya MORITA(日本)
・Mariia IGNATEVA / Danijil Leonyidovics SZEMKO(ハンガリー)
・Milla Ruud REITAN / Nikolaj MAJOROV(スウェーデン)
・Carolane SOUCISSE / Shane FIRUS(アイルランド)
・Chelsea VERHAEGH / Sherim van GEFFEN(オランダ)
・Samantha RITTER / Daniel BRYKALOV(ポーランド)
・Sofiia DOVHAL / Wiktor KULESZ(トルコ)
・Angelina KUDRYAVTSEVA / Ilia KARANKEVICH(キプロス)
ボストンワールド出場とは異なる3組
・Shiyue WANG / Xinyu LIU(中国)
・Shira ICHILOV / Mikhail NOSOVITSKIY(イスラエル)
・Mariia PINCHUK / Mykyta POGORIELOV(ウクライナ)
(B)ボストンワールドに出場したが、複数枠をポイント的に満たしながらSPを通過できなかった国の組。ペアのゆなすみと同じですが、こちらは別の組が出場しています。
・Giulia Isabella PAOLINO / Andrea TUBA (イタリア)
(C)別の組が獲得した追加枠分である+1追加チャレンジ組
・Maria KAZAKOVA / Vladislav KASINSKIJ(ジョージア)
・Sofia VAL / Asaf KAZIMOV (スペイン)
(D)誰もボストンワールドに出ていなかった国の組
・Gaukhar NAURYZOVA / Boyisangur DATIEV(カザフスタン)
・Kristina DOBROSERDOVA / Alessandro PELLEGRINI(アルメニア)
・Harlow Lynella STANLEY / Seiji URANO (メキシコ)
まとめると、10組はワールドに出ていた組、9組は別の組が出場した形になります。結果は1位リトアニア、2位オーストラリア、3位スペイン、4位中国に枠が与えられました。1位のアリソール、2位のホリージェイソンは本当に世界選手権で枠を取れてもおかしくない組でしたがここで雪辱を晴らしました。そしてスペインのソフィアサフ組が団子状態をFD神演技で抜け出し3位、4位~7位は1.2点差の中に4組がいる僅差(スコア)でしたが、北京開催ということで中国のワンリウ組に分があったなという印象です。ペア同様、辞退があれば5位以下のスウェーデン、ハンガリー、日本に枠が回っていく形となり、すでにフィンランドのピリハラ組の分が国籍の都合で辞退、スウェーデンのミラニコ組が枠を獲得したことが報じられています。
以上、ルールが複雑ですが、皆さん求めていた情報は得られましたでしょうか?間違いがありましたらご指摘よろしくおねがいします。
おまけ:なおペアもアイスダンスも、ロシア・ベラルーシからは出場しませんでした。男女シングルの方の説明は割愛しましたが、そちらで1位通過した2人のロシアの選手(ペトロシアン・グメンニク)がどう五輪で活躍するのか、注目です。
参考資料
・Qualification System – XXV Olympic Winter Games – Milano Cortina 2026
・Rocker Skating/ジャッキーさんの記事- Qualifications for figure skating for the 2026 Olympics and 2026 World Championships
・ボストンワールド(2025世界選手権)のリザルトページ
・最終予選のリザルトページ


コメントを残す